「愛美、今日は帰らないの?」


「うん。たまには、街を通って帰る」


そう言って、私は塾帰りに、親友の美咲(みさき)と別れた。


ほぼ毎日の塾通い。


進学校へ通う私は、日々勉強詰めだ。


実は、そんな毎日に、嫌気がさしていた。


もともと、勉強は好きじゃない。


今の私は、らしくない…。


最近、そう思い始めていたから、気分転換に夜の街を歩こうと思ったのだ。


でも、それが間違いだった。