「本当だよね?嘘ついてないよね?」


「ついてないよ…。美咲まで、どうしたの?」


じわりと、冷や汗が出てくる。


何で、突然そんな事を言い出したのだろう。


「実はさ、塾仲間で、愛美と竜二らしき男が、歩いてるのを見たって奴がいるんだよ」


勇真は、気を遣ってか、小声で話してくれた。


「まさか。人違いよ」


たまらず目を、そらしちゃった。


「間違いないよね、愛美。もし、本当なら退学ものよ」


「うん…。間違いないよ」


そう言ったけれど、どこかで、二人が疑っているのが分かった。


その証拠に、それ以来、二人は急に、よそよそしくなったのだった。