次の日から俺は登下校の時と放課後に浜辺を見渡し耳を澄ませ、マーメイドを探した。 崖の下も何度も覗いた。 だけど初めて見た以来、マーメイドが俺の目の前に現れることはなかった。 心を優しく撫でる様な歌声さえも聞こえなかった。 今日もダメ元で浜辺を歩く。 いつしかマーメイド探しが俺の日課になっていた。 いつもの夕日が海に溶けてゆく。 そして聞こえる優しい歌声。