……それで、だ。



「オレはこっからどーすりゃいいんだ、一体…」



魔王を倒せってのはわかるよ?

で、なんか場所も教えてもらったよ?

でも? いまから?
何をすれば?

ゲームだと大体こっから何すんだっけ?

仲間ができるんだっけ?
あれ、それもっと先?



………。



「はあ……まぁいーや。家帰ろ」



服クサすぎ。



オレは家に帰った。



「おかえりなさいアール」
「うおあああああ!!!?」



ビビビビビビビビビビったああああああ!!!!!!



「何でドア開けるなり立ってんだよ母さんッ!!?」



家の扉を開けるなり前に立っていた母さん。


いやビビるよ?マジで

だって考えないだろ普通!?
家帰ってまさか目の前で出迎えてくれるなんて!!



「わかってるわよ、アール。旅立つんでしょう」



相変わらず作り物の笑み(少なくともオレにはそう見える)を浮かべる母さん。


オレのリアクションには何の反応も示さないのね。



「いずれこうなることはわかっていたわ…。さすがお父さんの子ね。」



コラコラ勝手に話を進めるでないぞ?
そういうの自己中心的って言うのよわかる?
そんでもって

さすがお父さんの子ね。

って何やねん?

え、ここでまさかのお父さん登場なの?



「アール…。あなたには黙っていたけど……あなたのお父さんはね、英雄なの。とっても強くてね…たくさんの魔物からこの村を守ったのよ。」



え、何でそんな名誉ある父親のこと黙ってたの?