「あいつ、本気で殴りやがった……」 「……大丈夫?」 「まぁ、でも、しょうがねぇな」 ホッとしたような表情の響。 「ごめんな……あいつ、口が悪くて……」 その言葉で、彼女がわたしに吐き捨てた言葉―泥棒猫―がよみがえる。 でも、わたし……響の事、取ったわけではなくて……。 だけど、状況的には、そう見えても当然なのかな……。 事実、響と一緒にいるわけだし……。 「仕方ないよ……そう思われても……」 でも、誤解は解いておいたほうがいいよね?