駅前のドーナツショップに入ってドーナツを買った。



午前中だからまだ人も少ない。



駅からの道……実は…私、ここからの道が本当は少し不安なんだ。



え…っと、確かね……駅を過ぎたら左の大きなビルを目印にそこを曲がって、



それから、2つ目の信号を右…そしたらずっとまっすぐ?



…だったよね??やっぱりこれって…迷ってる?



智也君にメールしようかな…?



電話のほうが早いかな。



案の定確実に「迷っている」らしい私。



ポケットから携帯を手に持ったその時だった。



「琴弥っ!」



大きな声に呼び止められた。



「智也君!!」



振り向くとそこには智也君がいて、



「やっぱり迷ってたでしょ??」



智也君はそう言って、私に近づくと顔を寄せてニコッと笑った。