少しの沈黙。






そして、店員の表情が柔らかくなる。


不思議そうに私を見るその目に、微笑みが加わる。


そっか…。



今、気づいたのかな?



「あ、これ?軽い捻挫だから」


安心する私…でも、でも…。



次に返す言葉が見つからなくて、黙ってしまった。



後ろにレジを待つ人がいる事に気づいた私は、



「じゃあ」



小さな声で、そう言うとコンビニを出た。



「……」



はぁ…。



無意識に出た大きなため息。



偶然って、こんな風にあるんだ。



偶然の出来事にこんなに驚いたのは初めてで…。


そう…。


偶然ってすごいな。


だって…これじゃあ…。


なんだか……思っちゃうよ。


この偶然を…。


この偶然を……ね。