「琴…弥?」



そんなことを思ってた私に向かって、突然囁かれる私の名前…。



え・・・・・。



その声・・・・・。



どこかいつもと違うトーンで聞こえるけど、それは間違えなく私の『大好きな人』の声。



「と、智…也君…?」



「探したよ…やっと見つけた…」



会えて嬉しいはずなのに、やっと会えたのに、



その声に不安になる私。



『イツカラ…ミテタノ?????』



『ドンナカオシテミテタノ?????』



そしてどんどんと速くなる私の鼓動。






私の会いたかった人。



大好きな人。



その人の目が今は暗く、くすんだ色をしている。



私のせい??



「智也君…あのね…」



言わなきゃ…。



言わなきゃ…………。



今見てたのなら、誤解しないでって、



笑顔で言ってみせなきゃ…………………。