先頭の集団は始めからとばしていて、そのスピードを緩める様子はなかった。



その内の何人かが、耐え切れなくなってペースを落としていく…。



1人……そしてまた1人……。



校庭を何週したんだろう…そんなスピードで最後まで持つの?




『残りラストあと1周です!!』



海道く~~んって声援が大きくなる。



あいつには聞こえてるのかな?



あいつはひたすら走る。



前だけ向いて…走り続けてる。



いつの間にか、先頭は3年生の1人と海道貴人だけになっていた。









海道貴人。



頑張って…。



頑張って……。



頑張って…………。



私はいつの間にか心の中で叫んでいた。



『海道貴人』……………。



そう…あいつの名前を…何度も何度も………。