障害物リレーでは、借り物競争もあって笑いがおきていた。



《イケメンの先生》とか《美しい男子》とか面白い条件が書いてある紙を手に取ってあちこち探しまくる。



そのたびにその場は爆笑していた。



あれから海道貴人の姿は見ていなかった。



座わりながらゆっくり辺りを見渡し、智也君の姿を探す。



智也君は……。まだ来てないのかな。



『次は男子1500メートル競走です。1年生から3年生までの合同競技になります』



スタート地点には選手がスタンバイしていた。



『よーーい』



バーーーン。



響き渡る大きなピストルの音。



一斉にスタートする参加選手達。



「ほらほら、海道君だよ。カッコいい!」



後ろから聞こえた声に走る選手に視線を向けた。



海道?



あいつ、これにも出てるんだっけ?