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「ちあきにぃーっ!」


予防接種が終わったのか、啓が飛びついてきた。
純粋な分手加減を知らないらしい。何気に痛い。恐るべし小学生。


「なんだよ啓、結局泣いたの?」


「な、泣いてないよっ!」


や、涙でボロボロで言われても説得力ないし。
目は真っ赤だし、顔グシャグシャじゃん。


「もう、弱虫だなぁ。」


そう呟きながら、杏花は啓の顔をハンドタオルで拭いた。












羨ましいよ、何もしないでそばにいられる君が。



でも、ありがとう。



君のおかげで一歩、杏花に近づけた気がするから。





To be continue...


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