大倉さんが私を引き止めた。


「ごめんね。さっきね、廊下で敬太君とバッタリ会って…私が敬太君に話そうって誘ったの。話してたら…あなたの話になって。悪気はないと思うの。敬太君の事許してあげて?」


そう言って、大倉さんは優しい表情をした。


「…考えておきます。」


大倉の問いかけに小さな声で答える私。



「すまんな、あやっぺ。」
素直に謝ってくる敬太。


「許さないんだから…ね…。おもろい寝顔で悪かったわね。」


「あやっぺが…スースー寝息たててるからいけないんやで?」


「だから、覗いたっての?変態。」


「アホか。」

私と敬太はいつの間にか笑い合っていた―――