時間は刻々と過ぎていく―――

私が時計を見ると18時20分だった。


クリーミーな匂いとお肉の焼ける芳ばしい香りが大広間に広がっている・・・


「秋葉さん…遅すぎんか?」

大広間の静寂を敬太が破る。


「先程から、秋葉様の部屋にお電話を入れてるのですが・・・」

島岡さんの重々しい声。



「秋葉様は、お食事の時…いつも1番に大広間にいらっしゃるんですけど、どうしたんですかね?」


いつも明るい感じの木枝さんも、表情を曇らせた。


「木枝君、他のお客様には先にお食事をしてもらいましょう。私が、秋葉さんのお部屋に…」


島岡さんはそう言うと、大広間を後にした・・・