「………久しぶり…だな。」 敬太は俯いてそう言いながら、 そっと私の隣に来て。 「………うん。 ……行かなくていいの、海?」 「行くよ………」 と、敬太の小さな声。 そのまま 石段を1段ずつ、 ゆっくり降り始めていった━━… この時。 私の想いは、 どうしようもないくらいに溢れる寸前。 もう、 あなたを手放したくないよ。 「敬太!!!」