ブラック or ホワイト




台所からは肉じゃがの甘い匂いが部屋に広がり━━━


すると、突然━━━…

カシャン…

ガラスが割れる
嫌な音がした。


『留依奈…どうした?』


台所を見ると、
留依奈が体を縮めて
うずくまっていた。


『………っ』

『留依奈!?』




『大丈夫だよ?これくらい。いつもの事。やっぱり、家に帰ろうかな?肉じゃが完成したから、食べてね?』

留依奈の消えそうな、小さな声━━━…


『…大丈夫じゃないだろ。』


『大丈夫よ。』

そう言って、ゆっくり立ち上がり玄関に向かう留依奈。