明さんはゆっくり頭を左右に振りながら、 「もぅ…いいんだ…あの事は。」 と小さな声で言う。 「…明さん。」 鏡に映る明さんは どこか悲しげで。 「おい!アンタは知ってるというのか!?あの日、明に起こった出来事を!」 鬼下刑事は髪を掻き上げて、険しい表情をする。 「…起こった事はなんとなく分かります。」 私は視線を鬼下刑事に送りながら言った。 「なっなんだと!教えろ!」 大きく声を上げた鬼下刑事は、私の肩をガシッと掴んだ。