ブラック or ホワイト




「いらっしゃぃませー」

語尾が上がった、元気な声で出迎えられた私と鬼下刑事。


美容院には、
スタッフ4、5人がいた。

どうやら、今の時間はお客さんがいないらしい。



「…親父!何しにきたんだよ?」

店の奥から車イスで出てきたのは、とてもカッコイイ男の人。

細い目に高い鼻。

爽やかな雰囲気…

黒髪と茶髪が混じった、
長めの無造作ヘア。


この人は、もしかして━━━…


「せっかく顔出してやったのに…なんて言い方だ。お前は。」

鬼下刑事はわざと低い声でカッコイイ男の人に言う。でも、何故か顔は嬉しそうで。

「…悪かったよ。でも、急に来るなよな。お客さんいたらどうするんだよ?んで?お隣の女性は?」


「大河原さんだ。ちょっとした知り合いでね。この子、今日大事な約束があってね。とびっきり可愛くしてやってくれ!」

どうやら、鬼下刑事はテンションが上がってきちゃった…?みたいで?
ご機嫌な様子。



美容院のスタッフサンは
この光景を見てクスクス笑っていた━━━