ブラック or ホワイト




「何言ってるんだよ、敬太!会おうと思えばいつでも会えるよ!
それに、敬太と俺は本当の家族。だから、離れたって大丈夫だよ!」

敬太は、星斗君の言葉に驚いた様子で。
次の瞬間、驚きの顔からとても優しい顔に変わる━━━…


「星…斗…」

そして、敬太はぎゅぅっと力強く星斗君を抱き締めた。


「もぅ、時間だ。」
鬼下刑事の低い声。



鬼下刑事の声で、
敬太はゆっくりと星斗君を離す。


「奈央子さん…あなたもです。」

金田さん、奈央子さん、敬太は鬼下刑事に背中を押され━━━…


どうしよう…
敬太が行っちゃう…!



私は敬太に声を掛ける。

「敬太、また…会えるよね?」

「いつかな…」

敬太は優しい笑みを残して、ペンションから去って行った━━━…


こうして、
過去と現在が絡み合った事件は、幕を閉じた━━━…