俺は敬太の明るい性格、真っ直ぐとした目に惹かれて探偵事務所に迎え入れたんだ。
『敬太…どうして探偵事務所にしたんだ?他にも良い所いっぱいあっただろ?』
ただの、普通の会話が…
俺を焦らせる━━━…
『オカンな。ひき逃げされたんや。せやから、犯人見つけたると思てな。』
『どこ…で…?』
『1197号線の一歩手前の道…』
『そか…。』
俺がひき逃げした女性の息子が……目の前にいる━━━…
信じられない。
こんな偶然ってあるのか━━━…
***
それから数日が過ぎて、
俺は、敬太が何かを計画しているのに気付いた。
敬太が誰かに電話している…
『星斗…良く聞け。あんな?星斗の家の人はな。俺と星斗が一緒に暮らす事に反対しているんだ。だから、今から俺の言う通りにせぇ━━━━…
明日の朝にこの番号に電話するんや。090******** 』
“俺の携帯番号…?”
俺はそんな事を思いながら、電話の話を続けて聞く。
『そうや。探偵さんに、電話して蒼島に来てもらうように言うんよ。
すべての真相を明かしたる。そうすれば、一緒に暮らせるからな。』


