奈央子さんの声は次第に小さくなっていき━━━…
「どうして、分かったんですか?金田さんが殴打された事。
私……金田さんが襲われたとしか言ってません。」
「…………」
奈央子さんは私の言葉に何も言えなくて。
ただ。ボタボタと…
涙を流している━━━…
「私、ホントにバカ。
嫌な予感がしたの。あの人…ああ見えて、正義感が強い人で。ある事件の真相を吐かせてやるっ…言ってたから。
部屋に戻ってみると…あの人に襲いかかっている金田さんがいて、私、思わず………部屋にあった…置物で…ッ!うわぁぁぁ…!」
奈央子さんはバタリと倒れこみ、
声を上げて、泣き崩れた…
「…金田さん……あの部屋で何が…」
私はゆっくりと金田さんに近づく。
「奈央子さん…何を言ってる?俺は、部屋にも行ってないし、頭を殴打された覚えはないよ。」
金田さんは口の端を上げて、不敵な笑みを浮かべる…
「え………」
奈央子さんは、呆然と
金田さんを見ていた…


