大広間は相変わらず緊迫していて━━━… 激しくなった雨の音と、 大広間に響く緩やかなバイオリンの協奏曲のBGM…が響いていた。 だけど、私には、 雨の音も… バイオリンの音も… 聞こえなくて━━━… ただ、 頭の中が真っ白で… 呆然と立ち尽くしていた。 “敬太は私の紅茶に何か入れた━━━?” 「で…は…次に…進も…う。」 うっすらと金田さんの声が聞こえる。 誰を信じたらいいのか… 分からなくて。