ブラック or ホワイト




4月5日 PM15:05【5号室・金田さんの部屋】



「彩紗ちゃん…こういう事だったんだよ。」


金田さんは事件の真相を話してくれた。

「そんなの…信じられません…。」

私は、首を降る。

「俺も信じられないよ。」

ポツ…ポツリ…

「雨…」


窓の外を見ると、
ポツリ、ポツリと
悲しい雨が降り始めていた━━━…


「敬太なら…きっと…やり直せる。」

金田さんは、窓を見ながら力強く言う。


「………」



情けない私。
私の繋ぎ合わせた真実を
金田さんに話せないでいる。

だって…
金田さんの推理は完璧で。
私の推理なんて、きっと、すぐに壊れてしまいそうだったから。

私の中の真実は、
壊さないまま…
私自身の心の中にしまう━━━


“ごめんね、敬太。助けてあげられなくて…”


「金田さん…私、東京に戻りますね。もう少しで船が来る時間ですから。」