ブラック or ホワイト




私と木枝さんはソファーに座りながら、話す。




「あの…木枝さん…これなんですけど。」


私は木枝さんに、3年前の転落事故の資料を見せた。

「……これは?」

木枝さんの表情は次第に険しくなっていき、
ぐっと握りしめられている手。


「3年前の…転落事故の資料です。……最後の所を見て下さい。事件当時、“木枝 真”が容疑者として取り調べを受けたって…書いてあります。」


私は木枝さんを見る━━━

「………」


「あくまでも私の推測なんですけど…木枝さん…」


「この時に、鬼さんに助けられたんだ…」


私の言葉は木枝さんによって遮られる。
眉をしかめ、唇を噛みしめながら、木枝さんは続けて言った━━━