ブラック or ホワイト




階段から落ちたのに、何故かあまり痛くない…

恐る恐る目を開けると、
鬼下刑事の肩があった。


「鬼下刑事!」


「…ッ」


足を踏み外した私を、
鬼下刑事は自分の身を呈してまで守ってくれた。



守…る?

この時、私の頭のパズルは少しだけ繋がった。


「鬼下刑事…大丈夫ですか?」

私は鬼下刑事を揺さぶる。

「…ああ。」

仰向けに倒れている鬼下刑事は薄目を開けて、小さな声で反応した。

「すみません!私の不注意で…」

私の目に涙が溜まる。


「大丈夫だ。」

そう言って、鬼下刑事は起き上がった。


「起き上がらないで下さい!今、救急車を。」


「大丈夫だって言ってるんだろ?」

携帯を取り出した私の手を鬼下刑事はパシッと掴んだ。