「このマンションの前の道じゃないですか?」 「…ああ…そうだ。」 鬼下刑事は、絞り出したようなかすれ声でそう言った。 同じ道沿いで起こった、転落事故とひき逃げ事故。 その道は全くもって人気〔ヒトケ〕のない道で。 どうして、人気のない道を車が通ったのだろう━━━ 考えすぎかもしれないけど何か理由があるはず… 「…鬼下刑事、…ドライブしませんか?」 私は、外を見ながら言う。 「ドライブだと?ドライブする意味が分からん。」 そう言って、鬼下刑事は私を睨んだ。