敬太の目は冷たく、
敬太の心は冷えきっていたんだ。
“あなたは…何に苦しんでいるの?。私が出来る事があれば…何でもしたい”
そんな事を思った。
「先生。聞いてる?」
「ぁぁ…ごめん。どうして…生きるのかって?」
「ぁぁ。俺の人生は、もう終わったと同然だし。」
敬太はそう言って鼻で笑った。
「終わってないよ。敬太君の人生まだまだこれから。何があったのか、分からないけどさ?この先…自分の未来を作っていくのは敬太君自身。これからの未来なんていくらでも変えられるよ。」
「大河原センセ?そんな綺麗ごと言ってたんじゃ、本当の先生にはなれねぇよ。」
敬太は笑いながら言った。
そして、
この言葉を残して…
敬太は学校に来なくなった━━━
その後、衝撃の事実を知った。
敬太のお母さんは3週間前。事故で亡くなったと。
そして今、幼い弟と2人で暮らしている事も知った。
それから、
毎日、敬太の家に電話し、毎日…敬太の家に行った。
敬太は家にいなかった。
5月になり、敬太は関西の学校に転校した━━━
私は、何も出来なかった━━━
何も根拠のない言葉だけを残してしまった…
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


