「鬼下刑事…これは…」
資料の中にあった
“鬼下 明”
という名前━━━
これは一体…
「俺の息子だよ…」
鬼下刑事はかすれた声で言った。
「……」
「納得が出来ないんだ。単に足を滑らしただけなのに…2、3メートルも吹っ飛んでるんだ。おかしいだろ?何かがあるはずなんだ…何かが。それに…」
「それに?」
「例のひき逃げ事故と、息子の転落事故。事件が起きた日も…時間も…場所も…ほぼ同じだ。無関係とは思えないんだよ。」
敬太が言ってた。
ひき逃げ事故が起きた道はスーパーの裏口側に近いから、普段から人気がない道だと。夜になると全くもって人気がない。
普通、街の人は一本奥に入った大通りの道を利用するって。
「鬼下刑事…ひき逃げ事故と転落事故があった現場を見たいんですけど…」
私は資料を持った手をギュッと力を入れる━━━


