ブラック or ホワイト




『見つからないな。』




鬼下刑事のこの言葉に、
私は警察署の部屋から飛び出し、逃げだしていた━━━



とにかく、走った。

自分の足が動かなくなるまで━━━



ハァ…ハァ…ハァ…


肩で息をする私。

大きなスクランブル交差点で私の足は止まった。


目の前では何台もの車が通り過ぎる━━━



“私。何か間違ってるの?”

そんな事を思いながら、鬼下刑事が最後に言った言葉が私の脳裏に蘇る━━━


『悔しかったら…敬太の無実を証明するんだな!あんた、敬太について何も調べてないだろ!守りたいなら徹底的に調べたらどうだ!あんたは逃げているだけだ!』



この言葉が
何度も何度も…

私の頭の中で
聞こえる━━━━