薄暗い部屋に…
静寂が広がる━━━
カチ…カチ…
部屋の時計の音だけが響く━━━
「という事は…誰にでも犯行は可能だったって事ですか?」
「そういう事になるな…。しかしだな。」
鬼下刑事お得意の逆接語は、嫌なものを予感させる…
「敬太は、どうして事件現場にいた?密室の場所で…そして、血のついた凶器を持って。あんたにはそれが説明できるってのかい?」
「それは…」
何も言えないでいる私に、鬼下刑事は、また、薄笑いをした━━━
「まぁ、無理もない。あんたは既に…ハマってはいけない溝にハマってしまっている。後は…その溝が深くなるだけだ。そんなんじゃぁ、本当の真実は…」


