静まり返る部屋。
私の荒い息づかいだけが聞こえる。
部屋の壁際に置いてあるホワイトボードに寄っ掛かっている鬼下刑事は涼しい顔をして…煙草を吸っている。
小さいながらも重く響く声で鬼下刑事は言った。
「だからぁ、俺の部下が厳しく取り調べしてる所だ。会う事は出来ねぇ。」
「……」
部屋の窓から
桜の花びらが
舞っているのが見える。
その美しさに
私の心は軽くなった。
都会でみる自然の景色。
桜は…
左上から右下へと
ヒラヒラ…
軽やかに
舞っている━━━
「綺麗だな…」
鬼下刑事の言葉に私はコクリと頷いた。
「もっと…相手の事…信じてやれよ。」
そう言って、鬼下刑事は静かに椅子に座った…。


