私を苛立たせる原因はまだあった━━━ 私と敬太を引き離した人が目の前にいる。 何も出来ない私。 事件の事もさっぱり分からず、解決する糸口すら見つからない。 私は苛立っていた。 手に力を握りしめる。 “早く、敬太に会って話がしたい━━━” 今は、ただ。これだけ。 敬太会って話がしたいだけ。 「鬼下刑事…」 「何だ?」 「敬太に会わせて下さい。」 「無理だな。」 鬼下刑事によって希望の光は閉ざされた━━━ 私の苛立ちはピークに達した。 「会って、話がしたいだけなのに!」