私が何かを手で握りしめている事に気付いた大倉さんは、少しだけ眉間にしわを寄せた。



「今日の朝…カードキーと一緒にこの手紙が…挟まっていたんです。」


私は大倉さんに敬太からの手紙を渡す。





「敬太君も…辛いんだね。大丈夫よ。これ、本心じゃない。敬太君、優しい人だから…。彼なりにあなたを守ろうとしているのかもね。あなたの事、大切に想っていると思うよ?」


敬太からの手紙を読んだ大倉さんは優しい声で私を勇気づけた。


「優しい言葉をかけないで下さい。空しくなるだけです。大切に想ってるなら、どうして…」