私は希望の光を見つけようと必死だった。
「何かの間違いです!!ちゃんと敬太の話聞いたんですか??」
私は声を張り上げる。
「もちろん、聞いた。大河原さん!!言ったはずです。話を聞いて…沢野敬太の潔白を証明できなかったらその時点で緊急逮捕をし、連行する。…と。」
鬼下刑事はそう言って、敬太の手に手錠をかけようとする。
「待って下さい!!!!時間を下さい!!!!私自身が敬太の話を聞きたいんです!!!!」
鬼下刑事の手が止まる。
「お願い…しま…す」
私は、鬼下刑事に頭を下げた。
「鬼さん…!!!!」
木枝さんは鬼下刑事を見て悲しみの表情をしている…
あなたはそんな人じゃない…。そんな表情をしていた。
「…夜だしな。どうせ連行は朝になる…。それまで話を聞いてやれ。」
鬼下刑事はそう言って敬太の背中を押した。
フラフラになった敬太を私が受け止める。
私と敬太は部屋に向かった━━━
少しだけ希望の光が見えた瞬間だった━━━


