その夜。 毎年のお決まり通り、悠斗が家にケーキを持ってやってきた。 「おめでとう、あかり。」 そう言って穏やかに笑う悠斗に、私も笑い返す。 「ありがとう。」 素直にお礼が言えるのは、きっと相手が悠斗だからだ。 悠斗は私の分身みたいなものだから、きっと私がどんなに捻くれたってその裏側を見透かされちゃうんだ。 だって、ほら 「あかり?何か辛いことあった?」 こんな些細なことさえ、すぐにバレちゃうんだ。