そして、 ゴーン、ゴーンと 処刑を告げる鐘が鳴る。 それと同時に現れた父の姿。 「さようなら。」 最後にもう一度睨み、ルエラは断頭台へ歩き出した。 もう…何も感じなかった。 これで私は死に、ハインツは救われる。 それでもう、十分。 さようならハインツ。 さようなら、母様。 さようなら。 そして、しゃがみかけたその刹那。 ――…パァン!