俺としては渉の言ってる事が一番正しいと思うんだが。

華坂も早和しか心配しないってどうなんだよ。

…それ以上にさまざまな嫉妬の声が聞こえるのが腹が立つ。

俺がまあモテるのは自覚はしている。

小中高とあんな感じだったら嫌でも自覚せざるを得ないだろう。

…それでも自覚して無い奴が俺の腕の中に一名いるけど。

なんでこんなに自分の事に関しては鈍感なんだろうな?

現に今だって…


「久城さん大丈夫かな…」

「チクショー!相手が陽碧じゃ敵わねぇよ!」

「…陽碧の奴、うらやましい…」


…なんかムカツク。

お前等に早和を渡してたまるかよ。

早和は俺が小さな頃から妖怪からも、悪い虫からも守って来てるんだ。

今更お前等なんかにやるもんか。

…って、今はそんな事考えてる場合じゃない。

俺はまわりの男達に対する思いを追いやってため息をついた。


「明。とりあえず医務室行ったほうがいいんじゃねぇ?」

「ああ、そうだな。俺行って来るよ。…お前等は来なくていいから」


俺は渉と華坂にそう言うと、後ろから聞こえる文句を一切無視して医務室へ向かった。