「謹請し奉る、降臨諸神諸真人、縛鬼伏邪、百鬼消除、急急如律令!」
『ぎゃあああああああ!』
俺が唱え終わると同時にまばゆい閃光が辺りを包みこみ、それが緩やかに消えると、妖怪の姿はあとかたも無く消え去っていた。
「…調伏終了。さて、戻るか」
後ろで気を失っている早和を振り返ってちょっと微笑む。
そこに、自責の念を含ませながら。
「「「キャアアアアアアアア!!」」」
「明!早和は大丈夫なの!?」
「明も大丈夫かよ?うわ!早和ちゃんケガしてる!医務室行かないと!」
意識の無い早和をお姫様だっこして湖から上がると、3種類の声が俺を出迎えた。
ひとつは早和を心配する華坂の声。
もうひとつは俺と早和を心配する渉の声。
そして最後は…
「何あの子!明くんに助けてもらっちゃって!」
「明くんがお姫様だっこしてる~!」
「ちょっとかわいいからって良い気になってんじゃないの?ただの幼なじみのくせに!」
…等々の嫉妬の声…。

