Top☆Secret~幼なじみ君の秘密~



呪文を唱えた瞬間、俺と早和を丸い球体が包んだ。

この球体は水をはじき、酸素を送り込んでくれる。

これでもう水を飲まずに済む事になる訳だ。

ちらっと早和を見ると、咳をして飲みこんだ水をすべて吐いた様子。

とりあえずほっとして、それでもグッタリしている早和の様子に急がなければと思い直す。


「さて次は…」


俺はなるべく早く済ませようと思いながら正面の妖怪に向き直る。

…が、妖はひどく驚いた様子で俺を凝視している。

でも今はそんなの無視だ。

…さて。片付けますか。

早和に手を出した罪は重いんだよ。


『お、お前まさか…』

「なんだよ」


もう一度睨みをきかす。


『お前、陰陽師か!?』


俺はクスッと口端を上げて笑った。

そしてわざとゆっくりと言う。


「あれ?知らなかったか?俺の名前は陽碧 明っていうんだよ」

『っっ!?ひ、陽碧一族の後継!?やばい!消される!!』


妖怪は悲鳴を上げて逃げだす。…だが、


「逃がすかよ」