―――明side
バシャン!!
湖の中に飛び込み、早和を探す。
…いた!
俺の少し下でどんどん湖底のほうへ引っ張られていってる。
俺はそのまま早和と妖怪の間に滑り込んだ。
『なんだお前は!』
妖が叫ぶが、無視して後ろの早和を振り返る。
まずいな。
早和はすでに意識が無く、クタッとしてされるがままになっている。
そして足からは出血していた。
かなり大きく切られた傷口からは大量に血が流れて水に溶けていってる。
俺は妖怪を振り返り、睨みつけた。
『な、なんだよ…』
俺の睨みに怖気づいた様子の妖怪。
本当は今すぐにでも消してしまいたい。
でも、その前にやらなければならない事がある。
俺はもう一度妖を睨みつけ、印を結んだ。
「我に従いし水の聖霊よ、その力を持って我らを守りたまえ!急急如律令!」

