―――早和side
………っ。
苦しい…っ!
足を引っ張られてどんどん湖の底へと近づいていく。
霞む視界の中、懸命に足を引っ張っている妖怪の姿を探す。
いた…っ!
あれは…子供?
3、4歳くらいの子供みたいに小さい。
なんだか河童みたいだけど、どこか違う。
あの妖怪は…何…?
「…っ!?…あっ…!」
突然、足に痛みが走った。
びっくりして口を開けた瞬間、大量の水が流れ込んでくる。
苦しい…!
水が入って来て、のどが焼けるように熱い。
ふっと意識が遠のきかけた時、目の前に明が飛び込んできた。
……明、来てくれたんだ…
安心感が広がっていく。
ほっとしたと同時に力が抜けて、私はそのまま意識を手放した。

