―――明side
………明っ…!
「…早和…?」
早和の声がした気がして足を止める。
「あーっ。やっと止まったな。お前歩くのはえーよ」
隣で渉が文句を言っているが、半分くらいは聞いてない。
さっきまで歩いてきた道を振り返る。
しばらく向こうを睨んでいると、ふっと何かが視えた。
「っ!」
「あっ!おい、明!?」
もと来た道を全速力で走る。
渉が後ろから叫んでいるが、答えている暇はない。
さっき視えた何か―――…
それは、早和が何かに湖に引き込まれている姿だった。
たぶん、あれは事実。
そう俺の直感が告げる。
「あっ!明!早和が!」
森を抜けると華坂が俺を見て叫ぶ。
俺は、すべてを聞き終わる前に湖に飛び込んだ。

