そう決めた時…
『おや?お嬢さん、泣いているのかい?』
どこからか声がした。
「…え?誰…?」
「早和?どうしたの?」
結希ちゃんにはきこえてなかったみたい。
…って事は、妖怪なんだ!
『嫌な事でもあったのかい?………なら、こっちに来ないか?嫌な事なんて無い、楽しい世界が待ってるよ…』
くっくっと笑い声が聞こえる。
この妖怪…私を引きずりこもうとしてるんだ。
このままここにいたら結希ちゃんまで危ない!
離れなきゃ!!
「っ!ごめん結希ちゃん!」
「えっ!?早和!?」
結希ちゃんの腕の中から飛び出して走り出す。
結希ちゃんに逃げてって言おうとした瞬間、
「…きゃっ…!」
何かに足を引っ張られて湖へ引き込まれた。
助けて…っ
………明っ…!

