「だってさ。よかったじゃん」
渉くんが明を見て言う。
「…何がよかったの?」
意味がわからなくてきいてみる。
はぁ…と、結希ちゃんがため息をついた。
そして私をもう一度抱きしめて、明を睨みつける。
「明っ!早和に変な事したら許さないからね!無理やりとかなおさらよ!」
「はぁっ!?しねーよ!」
明が勢いよく否定する。
…そこまで勢い良いと逆にちょっと悲しいんだけどな…。
でも…
「結希ちゃん、それは無いよ。明は私なんかに何もしないって。それに明のまわりにはかわいい女の子がいっぱいいるもんね?」
最後は明に向けて言った。
笑って言ってるけど、ほんとはまわりの女の子なんか気にして欲しくない。
でも、私は明の彼女でもなんでも無いし、そんな事言う権利も無い。
これは、私のただのワガママだもん。
…だめだなぁ。私って。
「…今度はふられちゃったね?明くん?」
「うるせー」
結希ちゃんが茶化して言う。
ふられた…?
それ、私の間違いでしょ?

