「じゃあお願いしようかなっ?」
にこっと笑いながら首を傾げて言うと、明が少し赤くなった。
「…明?風邪ひいてるの?やっぱり行かない方が良い?」
風邪なら無理したりしちゃダメだよね。
私が行ったら迷惑かけちゃうし…。
思案に暮れていると、後ろからガバッと抱きしめられた。
「きゃぁっ!なになに!?」
でもふんわりと香る甘い香りでそれが結希ちゃんだとわかった。
「結希ちゃんっ。どうしたの?」
「正解!よく私だってわかったね」
私はくすっと笑って結希ちゃんを振り向く。
「だって結希ちゃんいい香りがするんだもん。わかるよ」
「ふーん。じゃあさ、渉と明に後ろから抱きしめてもらったらどっちがどっちかわかる?」
結希ちゃんが楽しそうにきいてくる。
私は、二人を交互に見た。
明と渉くん…ねぇ…。
「たぶん、わかるんじゃない?」
「へえ。なんで?」
「んー…。なんとなく?言葉にはできないんだけど、感覚で…かな?」
自分でも何でかは良くわかんないけど、もし明に抱きしめられたらわかると思うんだ。
小さい頃はよくぎゅーってしてもらってたしね。

