「じゃーねー」
「うん。バイバーイ」
クラスメイトが挨拶してる声がいたるところから聞こえる。
午後からは真面目に授業を受けて必死にノートを写してたらあっという間に放課後になっちゃった。
「なんだか今日は一日があっという間だったなぁ…」
「こーらっ!窓辺でたそがれてないで掃除しなさい!」
夕日を見ながらそう呟いたら、後ろから結希ちゃんの注意の声が飛んできた。
今日は私達が掃除当番だったみたいで、今は4人で残って教室の掃除中。
でもこのメンバーなら楽しいからいいんだ。
ごきげんで床をはわいていた時、渉くんが思い出したように言った。
「そういえばさ、言うの忘れてたんだけど今日の1時間目のホームルームで来週の集団宿泊の班決めがあったんだよ」
すると横から結希ちゃんも口をはさむ。
「そうそう!それで、うちの班はこの4人にしといたんだけど、いいよね?」
「うん!私まだクラスの人の名前と顔を覚えてないから、どうしようか悩んでたんだ。ありがとう。結希ちゃん」
「俺も異存はナシ」
この班なら集団宿泊も絶対楽しいよね。
そうやって騒ぎながら掃除をしていた時、私の携帯がなった。
電話みたいで、相手は「お母さん」となっている。
「もしもし?お母さん?」