Top☆Secret~幼なじみ君の秘密~



その子達には、皆月の異名がついているの。

たとえば―――………今、私の目の前にいる如月は2月の別名だし。


「…早和様?」

「へっ?あ、あぁ…ごめんなさい」


ぼーっとしてて如月の話を聞いていなかった。

如月が薄く微笑して、もう一度話してくれる。


「明様が早和様をお探しになっています」

「わざわざ如月を使ってまで探すなんて…すごく心配かけちゃったんだ…」

「会場は広いですし、所々に雑鬼はいますし…。なにより、早和様はあまりこういう会に慣れていらっしゃらないようなので、何かあったのではと心配なようでしたわ」

「うん…。明に、謝らなくちゃ。パーティー会場に戻ろうか」


そう言った瞬間、如月がふと遠くを見るような目をして、微笑んだ。


「その必要はありませんわ」

「え…?どうして…」

「だって…

「早和っ!!」


何かを言いかけた如月をさえぎるようにして声が響いた後、ガサッと近くの木が揺れて、そこから明が顔を出した。


「あ、明!」


私の姿を見て一瞬ホッとした顔になった明に小走りで近づいた。

謝らなくちゃと思って口を開こうとしたんだけど…


「バカ早和!勝手にいなくなるな!!」

「う…ご、ごめんなさい…」


言葉を発する前にすごい剣幕で叱られてしまいました。


「気が付いたら隣にいないから…誘拐とか、もしかしたらまた襲われてるのかと思って心配したんだからな!!」

「うん…。何も言わずに離れちゃって…ごめんなさい…」


『心配した』という言葉を聞いて、申し訳なくなる。

もう一度謝って、頭を下げた。

それにしても…こんな剣幕で明に叱られたのなんて本当に久しぶりで。

それだけ心配してくれたんだって思ったら、なんだか目の前がぼやけてきた。

いつもいつも、私は明に迷惑をかけてばっかりで…。

もっとしっかりしないと、「もう守ってくれなくていいよ」なんて言えない。

心配する事なんてひとつもないくらいにならないと…。