『お母さんとはぐれてしまったの?』

『うん…』


男の子が、瞳に涙をいっぱい浮かべて見上げて来る。

不謹慎だけど、可愛いと思ってしまった。

サラサラの色素の薄い髪に、色白な肌。

大きなくりっとした瞳に、長いまつげ。

ピンクの唇に、ほんのり染まった頬。

子役としてテレビに出ていますって言われても、驚かないな…。


『じゃあ、私と一緒に探そうか』

『いいの…!?』

『うん』


にっこり笑ってうなづくと、男の子はパァ…ッと笑顔になった。


『ありがとう!お姉ちゃん!』


う…可愛い…////

人に出会えて安心したのか、にこにこしたままでキュッと私の手を握ってくる。

とりあえず、パーティー会場へと歩き始めた。

ふと上を見た男の子が、目を輝かせる。


『あ…!見て!!お星様がすっごくきれい!』


男の子の声に導かれて空を見上げると、その先に待っていたのは…大空に横たわる、大きな天の川―――………。


『す…ごい…。こんなに多くの星が見えるなんて…』


―――早和。いい事を教えてあげよう…―――


ふと、懐かしい声が耳の奥によみがえった。


『ねぇ…君。「きらきら星」っていう歌、知ってる…?』

『きらきら星…?』

『うん。英語だけど、わかるかな…

 Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are…』


―――きらめく、きらめく、小さな星よ

  あなたは一体何者なの?

 
  世界の上空はるかかなた

 
  空のダイアモンドのように

 
  きらめく、きらめく、小さな星よ

 
  あなたは一体何者なの?―――