突然、足に痛みが走った。
ずっと慣れない草履をはいて歩きまわってたから…。
歩くたびにズキズキする。
でも、隣の親切な男の子に迷惑をかける訳にはいかないし、明もまだ見つかっていないもん。
我慢しなきゃ…。
「…足、痛いの?」
「えっ?」
ビックリして男の子を見る。
「なんか痛そうにしてるし、疲れたんでしょ?社務所のほうに行ってちょっと休もうか」
「あ、で、でも…」
「大丈夫。ちょっと休んだってその人は怒らないと思うよ?」
確かに明は怒らないだろうけど…
パシッ
「えっ!?」
考えていると、男の子が私の手を握って引っ張って歩き出した。
向かっているのは社務所の方。
強引だけど…ゆっくり歩いてくれて、私に無理させないようにと気を配ってくれているのがわかった。
やがて夜店の列を抜けて、階段を上る。
しんとした闇の中、私の草履がカランコロンと鳴る音だけが響く。
「…そういえばさ。探しているのって、彼氏?」
「ち、違いますよ!!幼なじみです!」
突然「彼氏?」だなんて訊かれてびっくりした。
そりゃ、彼氏になってくれたらいいな…とは思ってるけど…。
でも、それはないから。
「ふーん…幼なじみ…か」
「………?」
呟くように男の子が言った。
そのまましばらく上り続けると、社務所が見えてきた。
しんとして静寂な空気が漂っている社務所。
その前に。
「…あっ!」

