そう訊くと、男の子は頬をかいて苦笑いをした。
「え…と、まぁ、そうだね」
男の子は視線をキョロキョロさせてる。
どうしたんだろ…。
…ん?
「あれ?顔が赤いですよ?風邪ですか?」
夏風邪でもはやってるのかなぁ…。
だったら家に帰って安静にしてたほうがいいと思うんだけど…。
「い、いや、違うよ!!あっ!そうだ!!人探し、手伝ってあげようか?」
「えっ?」
「女の子1人じゃ危ないし、俺も一緒に探してあげるよ!」
「で、でも…」
「1人で探すよりは誰かが側にいたほうが良いと思うよ?」
…そう…かなぁ…?
でもせっかく親切に言ってくれてるんだし…。
「…じゃあ、お願いします」
「うん!わかった」
男の子が、嬉しそうに笑った。
「あ、電話をかけてみたら?ケータイ持ってるだろ?」
隣を歩く男の子が、ふと思いついたように言う。
「あ、実はもうかけたんですけど…」
「だったら探す必要はないんじゃ…」
「あ、違うんです。かけたのはかけたんですけど、繋がらなくて…」
「ああ、今日は花火大会だからね。人が多すぎて電波が届かないんだろう」
「はい…」
しゅんとして俯く。
本当にどうしよう…。
明、どこにいるの…?
せっかく明とふたりっきりの夏祭りだったのに…。
―――ズキッ!!
「………っ!」

