星の形をした、シルバーアクセ。

星の形は晴明印(せいめいいん)っていって、陰陽師達の間で使われる印の形らしい。

あ、晴明っていうのは平安時代に活躍した安部晴明(あべのせいめい)っていうすごい陰陽師の事なの。

その晴明印の形だからもしかしたらお守りになるかもって思ったの。

明はいつも私を守ってくれてて危険な事もいっぱいあるし、それ以外のお仕事だって何をしてるか私は知らない。

だから少しでも明を守ってくれますように、って思って。

…単純にペアアクセが嬉しいっていうのもあるけどね。


「はい」

「ん」


ネックレスを箱から出して、明にそのうちのひとつを渡す。

つけて、とは言わない。

だけど、持っててくれると嬉しいな。


「ヒュ~。ラブラブだねぇ」

「ち、違いますよっ!////ただの幼なじみですっ!」


おじさんがひやかしてくる。

びっくりして、慌てて言い返した。

…でも、私達、カップルに見えてるってことだよね?

なんか嬉しいな。

そう思うと更に顔が熱くなった。

うぅ~。おさまれっ!

…必死で念じていた私は気がつかなかった。

明が、少し悲しそうにしていた事に。













数十分後。

ガヤガヤとまわりはにぎわっている。

その中で、私はひとり、途方に暮れていた。


「…明、どこ…?」


キョロキョロと辺りを見回す。

…けど、探している人の影は見つからない。

とにかく、明を見つけないと…。

そう思って歩き出した時。


―――ドンッ…


「きゃっ…!」


誰かに、ぶつかった。